頭虱について
頭虱が老人にも!
先日1人住まいの年配のご婦人の頭にびっしり頭虱の卵が付いていました。
猛烈に頭が痒いと来院しました。「フケが多くて痒い」と思っていたそうですが、虱の卵でした。プ−ルも行っていないし、衣類の着脱をする集団生活もしていません。
多分日常の生活からいつのまにか感染していたようです。
頭虱について再度詳しくまとめてみました。

頭虱
1970年代後半から1980年代にかけて頭虱の全国的流行があって以来頭虱は増加しています。
日本人の生活は豊かになり清潔になりましたが、頭虱は日常診療では珍しくない疾患です。
保育園、幼稚園、小学校で感染する子供が殆どです。
頭虱が増えた理由は海外旅行が増え、海外から持ち込まれる、虱を知らない保護者が多く、感染に気がつかない事などが考えられています。頭虱は頭皮に寄生します。
幼少児、小学生に好発し特に女児に多く見られます。
季節的には、ほぼ1年を通じてみられますが、6月に多い傾向もあります。
症状は頭部の痒みです。とくに後頭部、側頭部の痒みが強くこの場所に頭虱の卵も多く見られます。


診断は簡単です。頭髪の卵、虫体を顕微鏡で見て判断出来ます。
肉眼でもわかります。頭虱の卵は髪の毛にセメント質で付いていて簡単に取れません。涙型をしています。成虫はメスが大きく腹が膨らんで尾が2つに分かれています。オスはやや腹が細いようです。体長2mm〜4mmで個体差もあります。顕微鏡で見るとヒトの血の吸っていて腹は赤く見えます。
感染経路としては、虱を持っている子供との接触や、帽子、タオルの共有、脱衣所などで衣類を介しての感染もあります。

頭虱がやや、6月に多いのは学校、保育園でプ−ルが始まる時期と一致しますが、その理由としてはプ−ルのときのタオル、脱衣時の感染が考えられます。
プ−ルでの水中からの感染はまずないようです。

頭虱は人体から離れて、2日から4日生きているようですが、その動きはさほど活発ではありません。診察時に髪の毛からピンセットで捕まえられます。
素早く動きますが、蚊やノミのように跳ぶことはしません。
メスの虱は1ヵ月に100個の卵を生み、1日には5個生むといわれています。
頭髪に産み付けられた卵は7日前後で孵化して、3回の脱皮で卵から3週間で成虫になります。

治療はスミスリンシャンプ−、ロ-ションを頭髪に付け、蒸しタオルで覆い、バスキャップをかぶり、1時間ぐらい置いてから洗髪します。これで成虫は駆除出来ますが、卵には効果がありません。卵には髪をドライヤ-で乾かしながら、毛に付いた卵をしごいて取り除くと、早めに駆除できます。
普通のシャンプ−は勿論、毎日して、駆除剤を使うシャンプは3日ごとに繰り返し、卵がなくなるまで使用します。

シ−ツ、枕カバ-、衣類は洗濯しアイロンがけで駆除できます。シラミは60度10分で死ぬようです。

頭虱の発生があると集団での治療が必要のため、保育園、学校のクラスで全員の頭髪を検査するようですが、その際に保育士、学校の先生は、言葉に注意してください。
頭虱は感染したからといって、その子の環境が不潔ではありませんから、頭虱の子供を差別したり、子供の心を傷つける言動は注意すべきです。
日常生活で互いに触れ合って遊ぶ機会に多い幼少児、小学生は感染する機会が多々あります。
感染に気がついたら、冷静に対処して家族や集団で一斉に駆除しましょう。
頭虱は学校において予防すべき伝染病ですが、出席停止は決められていません。
頭虱で長期に集団生活が出来ないことはありません。
(H16,6,30)

 

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